株式会社飯田様 事例
基幹システム再構築事例 : 株式会社飯田様
卸売業の大規模な基幹システムを再構築 汎用機からの移行で開発生産性が大幅に向上
1923年の創業以来、酒類食品を中心に卸売業を展開する株式会社飯田。
同社は、40 年近く汎用機で運用してきた基幹システムをオープンサーバープラットフォームに移行するにあたり、ローコード開発ツールの「Sapiens」を用いて再構築し、開発生産性を大幅に向上させました。Sapiensによるアプリケーション開発の手法を習得し、少人数で
自社運用・保守を継続しながら、さまざまな業務要件に対応を拡大しています。
【事例概要】
課題
●40年近く利用してきた基幹システムを見直し、変化に柔軟に対応できるシステムの再構築
対応策
●Sapiensを用いた基幹システム、サブシステム、グループシステムの再構築
●汎用機からオープンサーバープラットフォーム(IBM i)への移行
●汎用機からオープンサーバープラットフォーム(IBM i)への移行
効果
●汎用機上での開発と比較して、大幅に生産性向上
●内製開発、自社による運用保守の継続
●属人的なシステム利用の解消
●内製開発、自社による運用保守の継続
●属人的なシステム利用の解消
汎用機で開発してきた基幹システムの見直しを検討
株式会社飯田を母体とする飯田グループは、独立採算の会社が互いに協力しながら、原料調達から加工、製造、流通、サービスまで、酒類に関する事業を行っています。扱う品目は日本酒・ワイン・クラフトビール・食品と幅広く、多彩な生産者が生み出すストーリーのある商品を、小売業者を通して消費者に届けています。15のグループ会社のIT 運用を担う飯田のシステム部の役割は、社会のデジタル化が進む現在、ますます大きくなっています。特に、卸売業の中核となる基幹システム(受発注系システム)には、安定稼働と機能強化が不可欠です。しかし、従来の基幹システムは汎用機上にCOBOLで開発し、40年以上にわたって改修を繰り返してきたため、継続的な運用の限界が見えつつありました。
システム部 課長の内山正雄氏は「継ぎ足しで開発してきたためプログラムの中身がブラックボックス化し、業務の変化に合わせて進化させることが難しくなっていました。また、2000年代に入って汎用機の製造/ 販売からメーカーが撤退しはじめ、十分なメンテナンスが受けられなくなる恐れもありました。そこで将来を見据え、オープンサーバープラットフォームに移行して再構築することを検討しました」と語ります。
Webプログラミングの知識がゼロでも開発ができるSapiensを採用
現在そして将来の業務に対応できる基幹システムの再構築に向け、同社は最低限のプログラミングでWebアプリケーションが開発できる「ローコード開発ツール」の活用を検討。複数の製品を調査した中からSapiensを採用した決め手は、大量のバッチ処理との連携が容易なことでした。
「大量のトランザクションが発生する卸売業の場合、全体の約8割をバッチ処理が占めており、オンラインの入力画面からバッチ処理を起動させる必要があります。他社のツールではアプリケーションからバッチ処理に連携することができませんでしたが、SapiensはIBM i上に構築した入力画面から、バッチ処理を呼び出せることがわかりました。IBM iなら堅牢なデータベースとして定評のあるIBM Db2が標準利用できることも加味して、Sapiensの採用を決めました」(内山氏)
開発ツールを検討していた2000年代当時、同社ではCOBOL 技術者が中心で、Web系技術者がほぼいない状況でしたが、Sapiensなら開発が容易なことも採用を後押ししました。「技術者は業務ロジックを書くだけでよく、プログラミングの作業が発生しません。推論エンジンなどの自動化エンジンも充実しており、制御開発の手間も省くことができます。画面レイアウトの自由度も他のツールより高く、柔軟性に優れていることを評価しました」と、システム部 次長の溝本晃久氏は振り返ります。
「大量のトランザクションが発生する卸売業の場合、全体の約8割をバッチ処理が占めており、オンラインの入力画面からバッチ処理を起動させる必要があります。他社のツールではアプリケーションからバッチ処理に連携することができませんでしたが、SapiensはIBM i上に構築した入力画面から、バッチ処理を呼び出せることがわかりました。IBM iなら堅牢なデータベースとして定評のあるIBM Db2が標準利用できることも加味して、Sapiensの採用を決めました」(内山氏)
開発ツールを検討していた2000年代当時、同社ではCOBOL 技術者が中心で、Web系技術者がほぼいない状況でしたが、Sapiensなら開発が容易なことも採用を後押ししました。「技術者は業務ロジックを書くだけでよく、プログラミングの作業が発生しません。推論エンジンなどの自動化エンジンも充実しており、制御開発の手間も省くことができます。画面レイアウトの自由度も他のツールより高く、柔軟性に優れていることを評価しました」と、システム部 次長の溝本晃久氏は振り返ります。
サピエンステクノロジー・ジャパンの支援のもと大規模な基幹システムを再構築
飯田は2008年にプロジェクトを開始するにあたって、大規模な基幹システムから手を付けるのはリスクが大きいと判断。そこで周辺の締め処理、リベート請求、容器処理などのサブシステムと、老朽化していたグループ会社の1システムの再構築を先行し、Sapiens を使った開発に慣れることにしました。開発は、飯田のシステム部とサピエンスのパートナー企業が中心となって、サピエンステクノロジー・ジャパンから技術支援を受ける形で進めました。
「開発の前には、サピエンステクノロジー・ジャパンから研修を受けました。最初は戸惑いもあったものの、実践を通してノウハウを身に付けていくうちに、生産性が高いツールであることをあらためて認識しました」と溝本氏は語ります。また、飯田入社時にはシステム開発の経験がなかったというシステム部 リーダーの田原由英氏も「最初はWeb やデータベースの知識がなかったところから、Sapiens の習得を通じてシステム開発に参加し、1 つのシステムを最初から最後まで開発できるまでになりました」と語ります。
サブシステムとグループシステムの開発を終えた2010年から、飯田本体の基幹システム再構築に着手。ただし、サブシステムの10倍以上の規模で、工数も100人月を超える大きなプロジェクトとなり、プロジェクトマネジメントの苦労は多かったといいます。ここからはサピエンステクノロジー・ジャパンが開発パートナーとなりました。
「受発注の連携、物流との連携、EOSとの連携などがあり、各開発チームとの連携が発生しました。属人的な処理やブラックボックス化していた旧システムの影響も大きく、業務要件の整理では多くの困難もありましたが、最終的には品質の高いシステムを作ることができました」(内山氏)
溝本氏はサピエンステクノロジー・ジャパンの支援体制について、「ナレッジベースの環境設定から、業務ルールの定義、効果的な画面遷移まで、開発現場に即した形で教えていただきました。必要なタイミングで常駐していただけたおかげで、スムーズにコミュニケーションを取ることができました」と評価しています。Sapiensで開発した新基幹システムでは、受発注の入力画面をより使いやすくなるように工夫しています。汎用機時代は入力画面が固定されているため、予約注文、定期注文といった特定パターンの入力は、現場があらかじめExcelで作成し、それを見ながら基幹システムに入力していました。しかし新基幹システムでは特殊な入力パターンもすべて組み込んだことで、入力画面上での確認や追加/ 修正が可能になり、属人的な処理を解消することができました。システム部 部長の森本佳宏氏は「現場が行っていたExcelによる事前作業がシステムの画面内で完結するため、全社的に業務の標準化が進み、現場での新人育成や業務の引き継ぎが容易になりました」と語ります。
「開発の前には、サピエンステクノロジー・ジャパンから研修を受けました。最初は戸惑いもあったものの、実践を通してノウハウを身に付けていくうちに、生産性が高いツールであることをあらためて認識しました」と溝本氏は語ります。また、飯田入社時にはシステム開発の経験がなかったというシステム部 リーダーの田原由英氏も「最初はWeb やデータベースの知識がなかったところから、Sapiens の習得を通じてシステム開発に参加し、1 つのシステムを最初から最後まで開発できるまでになりました」と語ります。
サブシステムとグループシステムの開発を終えた2010年から、飯田本体の基幹システム再構築に着手。ただし、サブシステムの10倍以上の規模で、工数も100人月を超える大きなプロジェクトとなり、プロジェクトマネジメントの苦労は多かったといいます。ここからはサピエンステクノロジー・ジャパンが開発パートナーとなりました。
「受発注の連携、物流との連携、EOSとの連携などがあり、各開発チームとの連携が発生しました。属人的な処理やブラックボックス化していた旧システムの影響も大きく、業務要件の整理では多くの困難もありましたが、最終的には品質の高いシステムを作ることができました」(内山氏)
溝本氏はサピエンステクノロジー・ジャパンの支援体制について、「ナレッジベースの環境設定から、業務ルールの定義、効果的な画面遷移まで、開発現場に即した形で教えていただきました。必要なタイミングで常駐していただけたおかげで、スムーズにコミュニケーションを取ることができました」と評価しています。Sapiensで開発した新基幹システムでは、受発注の入力画面をより使いやすくなるように工夫しています。汎用機時代は入力画面が固定されているため、予約注文、定期注文といった特定パターンの入力は、現場があらかじめExcelで作成し、それを見ながら基幹システムに入力していました。しかし新基幹システムでは特殊な入力パターンもすべて組み込んだことで、入力画面上での確認や追加/ 修正が可能になり、属人的な処理を解消することができました。システム部 部長の森本佳宏氏は「現場が行っていたExcelによる事前作業がシステムの画面内で完結するため、全社的に業務の標準化が進み、現場での新人育成や業務の引き継ぎが容易になりました」と語ります。
内製開発でシステム構築を継続 運用保守も自社で実施
基幹システムの再構築を終えた2016年以降は、システム部が内製開発で既存システムの再構築や新規のシステム構築を継続。現在は、先行した基幹システム+サブシステム、グループ会社向けシステムに加え、リテールシステム、ワイン入荷管理システム、通販受注システムの5つがSapiensで開発したWebシステムとして稼働中です。基幹システムの一部改修や機能追加など、システムの運用保守もすべて自社で実施。
システム環境の構築や、原因不明の障害対応など、社内でカバーしきれない領域のみ、サピエンステクノロジー・ジャパンに単発のサポートを依頼しています。
Sapiensによってシステムの開発工数は大幅に削減され、汎用機でのCOBOL開発と比べて大幅な生産性向上が実現しています。柔軟に開発ができるようになった結果、業務部門からの改善要望にも短期間に応えられるようになりました。「硬直化していた以前のシステムでは、改善を要望しても実現は難しいと現場も感じていたようです。Sapiensで比較的容易に対応できるようになった今では、業務ユーザーからさまざまな要望をいただいています」(田原氏)
システム環境の構築や、原因不明の障害対応など、社内でカバーしきれない領域のみ、サピエンステクノロジー・ジャパンに単発のサポートを依頼しています。
Sapiensによってシステムの開発工数は大幅に削減され、汎用機でのCOBOL開発と比べて大幅な生産性向上が実現しています。柔軟に開発ができるようになった結果、業務部門からの改善要望にも短期間に応えられるようになりました。「硬直化していた以前のシステムでは、改善を要望しても実現は難しいと現場も感じていたようです。Sapiensで比較的容易に対応できるようになった今では、業務ユーザーからさまざまな要望をいただいています」(田原氏)
飯田のような事業会社にとってITプロフェッショナル人材の採用は容易ではなく、IT未経験者の配属も少なくありません。その点でSapiensは人材養成での生産性の高さもあるといえます。「SapiensとIBM iのプラットフォームの知識だけでWebアプリケーションが開発できる点は、生産性向上に大きく寄与しています。業務システムのWeb化が当たり前になると、HTML、CSS、JavaScript、PHP、SQLといったフロント周りやミドルウェアの知識が必要ですが、SapiensならSapiensの知識のみで開発できます。Sapiensを導入していなければ、業務ユーザーからの開発要望について自社だけでは開発できなかったと思います」(溝本氏)
マルチデバイス化に向けてタブレット用アプリケーションの開発も検討
飯田では、今後もSapiensを使ったシステム開発を継続していく方針で、現在はハンディーターミナルを使った検品システムの再構築を計画しています。また、コロナ禍でテレワークが進み、卸売の営業スタイルも大きく変わったことから、システムのデバイスフリー化を図ることも継続課題の1つです。
「従来はWindows PCの利用が大前提でしたが、今後はiPad などのタブレット利用も考えています。そうなると基幹システムや業務システムも複数のデバイスで使えるようにする必要があり、タブレット用アプリケーションの開発も検討しています」(溝本氏)
Sapiensを15年近くにわたって広く活用し、内製開発と保守運用を続けている飯田。Sapiensは飯田グループの事業の成長に欠かせない開発ツールとして、今後も存在感を高めていくはずです。
「従来はWindows PCの利用が大前提でしたが、今後はiPad などのタブレット利用も考えています。そうなると基幹システムや業務システムも複数のデバイスで使えるようにする必要があり、タブレット用アプリケーションの開発も検討しています」(溝本氏)
Sapiensを15年近くにわたって広く活用し、内製開発と保守運用を続けている飯田。Sapiensは飯田グループの事業の成長に欠かせない開発ツールとして、今後も存在感を高めていくはずです。
会社概要
株式会社飯田
設立:1923年6月
本社:大阪府八尾市
売上高: 350億3,592万円(2021年2月期)
事業内容:酒類食品卸売業
設立:1923年6月
本社:大阪府八尾市
売上高: 350億3,592万円(2021年2月期)
事業内容:酒類食品卸売業
株式会社飯田
システム部 部長
森本 佳宏 氏
システム部 部長
森本 佳宏 氏
株式会社飯田
システム部 リーダー
田原 由英 氏
システム部 リーダー
田原 由英 氏
株式会社飯田
システム部 次長
溝本 晃久 氏
システム部 次長
溝本 晃久 氏
業務システムのWeb化が当たり前となる中、
Sapiensならプログラミングのスキルは不要で、
最低限の知識があれば開発ができるため、
開発の生産性向上に大きく貢献しています。
Sapiensならプログラミングのスキルは不要で、
最低限の知識があれば開発ができるため、
開発の生産性向上に大きく貢献しています。